樹脂の溶接では、溶接できる材質とそもそも溶接できない材質があります。溶接できる材質の代表例としては、塩ビ・PC・PET・PP・PE・PTFEなどが挙げられます。当然のことながら、樹脂の溶接品を設計する上では、これらの溶接ができる材質を選定することが非常に重要といえます。しかしながら、溶接ができる材質を選んだとしても、各々が持つ溶接性はもちろんのこと、材料コストなどには大きく違いがあります。これらを考慮せずに材質を選定してしまうと、「外観品質が想像以上に悪い…」「無駄な材料コストがかかってしまった…」といったような事態に陥る可能性があります。

そこで、当記事では、樹脂溶接に用いられる材質とその特性を詳しくご紹介したいと思います。気になった方は、是非最後までご覧ください。

溶接に用いられる樹脂材料①:塩ビ(PVC)

樹脂溶接において最も幅広く用いられているのが、塩ビ(PVC)です。塩ビは、溶接性が非常に良好であり、容易に溶接を行うことが可能です。また、幅広く用いられていることから、溶接棒の種類なども豊富に出回っています。一方で、塩ビの細かな種類(FM材 等)によっては、若干溶接性が異なるケースもあるので、注意が必要です。

溶接に用いられる樹脂材料②:PET

PETは、塩ビと同様に溶接性は非常に良好といえます。ただし、材質特性上、光沢が発生しやすく、やや歪が目立つといった注意点もあります。また、溶接棒の種類が限られており、径の細い溶接棒などはあまりないため、薄板溶接などには適していません。

溶接に用いられる樹脂材料③:PP

PPは塩ビやPETほどではありませんが、溶接性が良好であるといえます。ただし、材料の剛性がないため、溶接につられて素材が反ってしまうなどの懸念もあります。さらに、加熱しすぎると液体になってしまうため、加熱調整には細心の注意が必要です。

溶接に用いられる樹脂材料④:PE

PEはPPと同様レベルに、溶接性が良好である素材です。ただし、PPと同様に材料の剛性がないため、溶接につられて素材が反ってしまうなどの恐れがありますので、注意が必要です。

溶接に用いられる樹脂材料⑤:ABS

ABSは、PP・PEと同様に溶接性が良好な素材です。ただし、一般的にあまり溶接に用いられることは少ない樹脂材料です。そのため、溶接棒の種類はあまり豊富ではないといった注意点があります。

溶接に用いられる樹脂材料⑥:PC

PCは溶接がやや難しい素材です。一方で、PCは溶剤接着では強度を実現できないため、溶接されるケースも多くあります。強度を追い求めすぎると、発泡や、溶接ビードの波打ちが発生し、外観品質が低下する傾向にあります。しかしながら、塩ビのような綺麗な外観で溶接をすると強度不足となるため、双方を鑑みた上で溶接を行いましょう。

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いかがでしょうか。今回は、溶接に用いられる樹脂材料とその特性をご紹介しました。三栄プラテックでは、樹脂の溶接を得意としています。「樹脂の溶接を検討しているが、最適な材質が分からない…」なんてお悩みがございましたら、お気軽に当社にご相談ください。お客様のご要望に沿った最適な材質をご提案させていただきます。