皆様は、樹脂溶接について、詳しくご存知ですか。金属溶接については、詳しくご存知の方も多いと思います。材料にも寄りますが、樹脂も溶接を行うことが可能なのです。そこで、当記事ではそんな樹脂溶接の加工手順について、詳しく解説します。
(※当記事の樹脂溶接とは、ホットジェット溶接を指します。)
樹脂溶接とは?
まず、そもそも樹脂溶接とはどのようなものでしょうか。改めて確認してみましょう。樹脂溶接とは、樹脂素材へ熱を加え、溶融させることにより接合する技術を指します。樹脂溶接の最大の特徴は、部品を組み付ける場合と比較し、高い耐久性を持つ製品を隙間なく作り出すことができる点です。
樹脂溶接の加工手順
それでは、本題である樹脂溶接の具体的な手順について解説します。
ステップ①:部品を用意する
まず、溶接を行う部品を用意します。基本的に使用する部品は、双方とも同様の種類を選定する必要があります。異なる種類の樹脂同士では、うまく接合できないことがあるため、同じ素材、もしくは溶接可能な組み合わせであることを確認することを推奨します。
ちなみに、部品表面が汚れていると溶接の品質に悪影響を及ぼすため、表面の油分やホコリをしっかりと取り除いておくことが重要です。
ステップ②:開先加工を行う
次に、開先加工を行います。開先加工とは、溶接する部品の接合部分へ、溶接棒を考慮した溝を削り出す作業のことを指します。この工程により、溶接棒と部品との接触面積が増加し、より強固な溶接が可能になります。
一般的には、電気工具のトリマーを使用して、部品のエッジ部分を適切に加工します。トリマーを使用する際は、削りすぎないように注意し、滑らかで均一な開先を作ることがポイントです。
ステップ③:溶接棒を用いて、溶接を行う
開先加工が完了したら、溶接棒を用い、溶接機(ホットジェットガン)で樹脂素材を加熱しながら、溶接を行います。溶接温度や速度を適切に調整することが重要で、温度が低すぎると接合が弱くなり、逆に高すぎると樹脂が焦げて変質するので、注意が必要です。
溶接棒を溶かしながら、均一に圧力をかけ、密着させるように溶接を行います。一定の速度で溶接を進めることで、見た目も美しく、強度の高い溶接面を形成することが可能です。
ステップ4:指示に応じて、余盛を除去する
溶接が完了した後、余盛(溶接部分に余分に盛り上がった樹脂)を除去します。特に、外観品質を重要視される場合や、余盛が相手部品と干渉する場合などは、余盛を除去が必須といえます。一方で、強度が求められる場合には、ある程度余盛を残しておくことが重要です。
余盛の除去には、専用工具等を使用し、慎重に削り取ります。この作業では、削りすぎないように注意し、滑らかな表面に仕上げることが重要です。
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いかがでしょうか。今回は、樹脂溶接の加工手順をご紹介しました。三栄プラテックでは、樹脂の溶接を得意としています。「樹脂の溶接を検討しているが、委託先に困っている…」なんてお悩みがございましたら、お気軽に当社にご相談ください。