樹脂溶接において、溶接する材料や溶接部の形状に応じて、様々な断面形状の溶接棒が使用されます。適切な溶接棒の選択は、溶接の強度と外観に大きく影響します。当記事では、そんな樹脂溶接に用いられる溶接棒の代表的な形状の種類についてご紹介します。

1. シングル(単棒)

シングルタイプは、最も基本的な形状で、一本の丸い断面を持つ溶接棒です。主に細い幅の溶接や仮止め、仕上げの溶接に使用されます。

形状名直径 (ϕ)特徴
2ϕ シングル2mm薄板の製品で重宝されます。ダブルの溶接棒を使用する前の仮止めとして使用されることもあります。
3ϕ シングル3mm一般的な溶接に広く用いられるサイズです。

2. ダブル(二連棒)

ダブルタイプは、2本の溶接棒が一体となっており、より広い溶接幅を一度に埋めるのに適しています。溶接時間の短縮に貢献し、過剰な熱歪みを抑制できます。主に肉盛り(厚みのある部分の充填)に使用されます。

形状名全幅特徴
ダブル6mmシングルを用いて仮止めした後に使用されます。厚い板の溶接に用いられます。

3. トリプル(三連棒)

トリプルタイプは、3本の溶接棒が一体となっています。トリプルを用いることで、シングルとダブルで行っていた2工程の重ね溶接を1工程に集約できます。メリットは溶接時間を大幅に短縮できる点です。デメリットは、2工程の溶接が1工程に集約しているため、確実性に不安が残ります。結果として、水漏れ等が発生するリスクが高まります。そのため、製品部ではなく、リブ等に用いられるケースが多いです。サイズの異なる2種類があり、作業性や溶接部のサイズに応じて使い分けられます。

形状名全幅特徴
トリプル(大)6mm大きな押圧が必要となるなど、作業性に劣ります。
トリプル(小)4mm作業性が非常に高いです。

どのように溶接棒の形状種類は使い分けられているのか?

これらの溶接棒は、手作業による溶接において、熱風機(ヒートガン)と専用のノズルを用いて溶接されます。主にこれらの種類は下記の使用方法に分類できます。

  • シングル:細い幅の溶接、仮止め溶接、仕上げ溶接に使用されます。
  • ダブル:シングルを用いて仮止めした後に重ね溶接に使用されます。
  • トリプル:シングル・ダブルの2工程の重ね溶接を1工程に集約するために使用されます。

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いかがでしょうか。今回は、樹脂溶接に用いられる溶接棒の形状の種類をご紹介しました。三栄プラテックでは、樹脂の溶接を得意としています。お悩みがございましたら、お気軽に当社にご相談ください。